楽しい番外地

アメーバに本体がある「腐ってやがるプログ」から一部コンテンツを晒す為に作られたブログです。 隔離と言っちまえば隔離かな・・・。ランド丸チーズ第二支部です。 尚コメントなどの返信は相当遅いでしょう。管理が適当だから(ヲイ)。

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ほげいもんだいはグレーゾーン  第4回 日本一の無責任男はOKで世界一はNGの理由-4

猿畑「実は、この「生命系の危機 環境問題を捉えなおす旅」という書籍にて綿貫女史は、地球環境会議のルポを採録しているのですが、同じ書籍の中でベトナム戦争の枯れ葉剤作戦については、痛烈に非難しているんです。「全米科学アカデミー」による「南ベトナムにおける除草剤の影響」という報告書が公表されて、ベトナムの国民の為に記述されたと書かれているのですが、被爆者の為という前置きで始まる原子爆弾の軍事的効果の報告書を例に出して、この報告書が枯れ葉剤の軍事使用の歯止めになるとは思えない(191,192頁)と」

脱下「なるほど、こういう問題意識の高い方の証言であれば、いろんな意味で信頼できそうですね」

猿畑「件のルポは「人間環境会議に出席して-一九七二年夏」という1972年9月が初出のものです。綿貫女史は公害被害者の方と一緒にこの会議に出席したそうで、複数の会議がこの中で行われていたのですが、30余りの市民団体によって主宰された「市民広場」という市民サイドのフォーラムにこの公害被害者の方が発言する「日本の夕べ」やベトナムの少女による「ベトナムの夕べ」が行われ、会期中反戦運動が盛んであったそうです」

脱下「足元でかなりベトナム戦争が非難されていたんですねえ」

猿畑「ちなみに、綿貫女史はこの会議で環境保護団体が配った英字のミニ新聞で始めて、日本の捕鯨に関する姿勢が国連会議で非難されていた事実を知ったそうです」

脱下「なんでですか?」

猿畑「綿貫女史は開催地のスウェーデン語が読めなかったから、現地の新聞での情報を知る術がなかったそうです」

脱下「えーと、それでは事前に非難があったと…」

猿畑「この国連の会議は恐らく前の年のIWC総会だと思うんですが、要するに多くの日本の国民が知らない間に物事は進んでいたんですよ」

脱下「ああ、いつものパターンに陥っていますね、知らぬは日本の国民のみ」

猿畑「そうですね、実は当時国連主宰の会議ではベトナム戦争に触れないのは暗黙の了解であったそうです」

脱下「そういう前提が有った事が「事前に知られていた」のであれば、捕鯨問題が取り上げられないにしても、何らかの他の話題に行く事は明白な筈です」

猿畑「ところが、主催国のスウェーデンの首相は公式の場で「戦争」を環境破壊の因子として明確に位置づけたそうで、それが最大の成果であると綿貫女史は記しています」

脱下「あらら、ベトナム戦争について、語っていますよね」

猿畑「当時ロンドン在住のジャーナリスト轡田隆史氏もこの会議の取材をしていたそうですが、当時は目先の捕鯨の利益にばかり目を奪われて、綿貫女史のような深い点に思い至らなかったと、この書籍の後書きで回想しています」

脱下「となると、当時のマスコミの感心はどこまでも捕鯨モラトリアムにあったわけですか」

猿畑「そうですね、だから綿貫女史のルポは埋もれてしまったのかもしれませんね」

脱下「しかし、吉岡氏が最初に語った、スウェーデン首相によるベトナム戦争批判はあったんですね、ただ捕鯨モラトリアムも一緒だったから、この非難をかわすも何も、同時進行で吉岡説も結局は誤りと結論づけられるのでしょうが」

猿畑「まあ、所詮は陰謀論ですからね、実は最初に出した真田康弘氏は昨年の書籍にこの件を記述しているんですよ」

脱下「え…そちらをソースにした方が…」

猿畑「どうも、世情に疎いもので最近までその本の存在を知らなかったというのも有りますが、やはり現場を見てきたルポの方が、事後的に調べた記事より面白いじゃないですか」

脱下「猿畑さん、面白いかどうかで決めてますよね」

猿畑「そうですね、それは否定しません。ただ、綿貫女史のルポで事前に国際会議で日本の捕鯨が非難されていた件が記述されているんですが、真田氏が人間環境会議の8ヶ月前の段階で捕鯨の件で日本が非難される可能性がある事を水産庁を含む政府が認識していた事実を様々なソースと、1971年の10月14日の在アメリカ日本大使館発外交電報と共に掲載しています」

脱下「最後にとんでもないスパイスで味付けしましたね、唐突にアメリカが捕鯨反対を議題にしたというシナリオは崩れました。しかし、本当はもっと以前から捕鯨問題はこじれていたのではないですか?」

猿畑「そうですね、1995年8月に東京水産大学(現東京海洋大学)の櫻本和美氏の公開講座によると、1950年代の後半の時期…でしょうか、IWCの科学委員会が既に捕れなくなっていたシロナガスクジラの全面禁漁を訴えていたのに、日本、ソ連、ノルウェー、オランダが受け入れなかったのが、紛争の発端だと指摘してたようです(「魚の経済学」 日本評論社 94‐96頁)」

脱下「かれこれ十年前にこじれ始めていたんですか、それを読み取れないのはあまりに杜撰ですね」

猿畑「また真田氏は、もしアメリカの陰謀で人間環境会議で捕鯨モラトリアムが採択されたという話になれば、会議における日本政府の対応の誤りは不問とされるのではないかとしていますね」

脱下「まあ、そもそもベトナム戦争については不問にする前提である事を政府の人間ならぬとも知っていたのだから、それを考慮できなかった事が知れたら目も当てられません。あと、人間環境会議での様々な市民フォーラムの会議において、各国代表が討論に参加していた中で、日本の政府代表は参加しなかったとも記述されていますね」

猿畑「こういう会議に参加しておいて、日本に不利な採択になると参加者の責任問題になるから、わざと参加しないという話も聞きますね」

脱下「日本の外交下手が、捕鯨問題の混迷の一因のような気がしてきました」

猿畑「まあ、自己主張が必要なのに、責任逃れの為に自己主張しない役人ばかりですからね」

脱下「吉岡氏の自己主張が必要だという結論は政府関係者にこそ聞かせるべきですね」

参考
「白人はイルカを食べてもOKで日本人はNGの本当の理由」吉岡逸夫 講談社 2011年
「生命系の危機 環境問題を捉えなおす旅」社会思想社 1988年
*「人間環境会議に出席して-一九七二年夏」初出1972年 綿貫礼子
「解体新書「捕鯨論争」」新評論 2011年 石井敦
*「第2章 捕鯨問題の国際政治史」真田康弘
「魚の経済学-市場メカニズムの活用で資源を護る」山下東子 日本評論社 2009年

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  1. 2012/12/11(火) 18:41:58|
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